フランスに住みはじめてから、定期的にブルターニュに滞在しています。
しかし行く前はブルゴーニュとブルターニュの区別もついていないていたらく。
ブルゴーニュはワインのほうで、ブルターニュはシードル(りんごの発泡酒)のほうです。
ブルターニュにはいろいろな名物があり、個性的で魅力的なところなので、少しご紹介してみようと思います。
ブルターニュとは
ブルターニュはフランス北西部に位置しており、1532年までは独立国でした。
独自の言語や文化をもつケルトの国のひとつで、ブルトン語の看板があったり、小指をつないでWAになって踊ったりと、他のフランスの地域とはだいぶ文化が違います。
人の名前や苗字にも、ブルターニュ独自のものがあります。
ガレットとクレープ
ブルターニュ自体をあまり知らなくても、ブルターニュの食べものは案外知っていると思うんですよね。
ガレットとクレープもブルターニュ名物で、合わせる飲み物はもちろんシードル。
そば粉で作られているガレットは、いろいろな具を入れて食事にします。
ハムと卵、チーズがベーシックですが、アレンジがきくので、お店によっていろいろなメニューがあります。
小麦粉でできたクレープはどちらかというとデザート向きです。
バターと砂糖で味付けしたシンプルなものから、キャラメル、チョコレート、生クリーム、果物をのせるなど、こちらも食べ方はいろいろです。
バターのおいしい焼き菓子
ブルターニュといえば、やっぱりバターたっぷりの焼き菓子が有名ですよね。クイニーアマンとか、あとクイニーアマンとか。
本場で食べたらたしかにおいしかったですが、やはり危険な味がします。カロリー的に。
ほかにもファーブルトンという、ケーキと焼きプリンの中間みたいな食感のお菓子や、バターたっぷりのビスケットというかサブレのようなお菓子も有名です。
ファーブルトンは簡単に手作りできるので、レシピを置いておきますね。
ゲランドの塩
地中海のカマルグの塩と並んで有名なゲランドの塩はブルターニュ産です。
いつかくらべてみた時は、ゲランドの塩は灰色がかっていて塩気がマイルドで、カマルグは真っ白でゲランドよりも塩気が強いと思いました。
どちらもほんのり甘みがあっておいしい塩なので、料理によってうまく使い分けられるようになりたいものです。
バターは有塩
ブルターニュのバターは有塩が基本です。
クイニーアマンも、クレープも、甘さの中にバターの塩気があるからいっそうおいしい。
バターに塩を入れるのは、長く保存するためでもあったそうです。
さらに、ブルターニュはフランスに組み入れられた時に、塩の税金を免除されるなどの特権を受けたため、塩をたくさん使えたという話です。
ブルターニュの町
私の行きがちなブルターニュの町を3つご紹介してみます。
モルレー(Morlaix)
TGVの駅があり、大きすぎず小さすぎないチャーミングな町です。
町の中心部と外側の高低差が大きいのも特徴的。
高架橋が圧倒的に高くて、石で、かっこいいです。
左端にすこーし写っている家は、ブルターニュ女公でフランス王妃だったアンヌ・ド・ブルターニュの館だそうです。
しかし上に行くにつれて床面積が広がるってどういうことなの。
サン=ポル=ド=レオン(Saint-Pol-de-Léon)
ここは町の規模の割に大きな教会がふたつもあり、カトリックの拠点として大切だったことがうかがえます。
この影の濃さ!
この町は趣深いわりに大きなスーパーがあってとても便利です。
それから、「Livres in Room」という本屋兼カフェでゆっくりとショコラ・ショーを飲むのもいいですよ。本当にいいですよ。
ロスコフ(Roscoff)
旧港地区の景観、対岸のバ島へのアクセス、玉ねぎ、タラソテラピーなどでつとに知られ、小さな町ですがバカンス地としてなかなかの知名度を誇ります。
町外れの高台にあるチャペルから、右奥のバ島に沈む夕日を眺める。左側は旧港地区です。
ブルターニュいいとこです
個人的には、ブルターニュの濃い色の石でできた重厚感ある建物と、そのまわりに植わっている紫陽花などの植物のコントラストが好きです。
それからここの人たちの独立精神というか、高速道路があえて無料だったりする気骨も素敵。
風景もいいし、食べものもおいしいところなので、ぜひ本場のクレープを試しに行ってみてください。全然違いますから。