PhiloFrance フィロフランス

語学力ゼロでフランスに渡ったどさんこが、いかにしてフランス語を学習し、フランス社会を観察し、フランス生活に適応していくかの記録。

*

大人のお手本として、森瑤子さんの本はもっと読まれるべき

      2018/08/18




食にまつわる本が好きでよく読みます。

だいたいはエッセイですが、小説で好きなのは「デザートはあなた」という森瑤子さんの本。

 

料理上手な主人公・大西俊介が、毎回違う女性を手料理でおもてなしするという短編の集まりで、

  • 料理が多彩でおいしそう
  • 登場人物も個性的で素敵
  • 小道具も気がきいてる

というところが好きです。

 

重すぎないストーリーとおしゃれなディテールで、気軽に読めて知識も広がる一冊です。

 

やっぱり料理の話はたのしい

料理のところを読んでいるだけでたのしいんですよ。

メニューの一部をご紹介すると、

  • 帆立貝のシノワ風
  • 鱒のルイベ
  • 筍の鍬焼き
  • お手製生ハム
  • 中華粥
  • 羊の丸焼き

などなど。

品目を見るとストーリーが思い出されますね。

 

それから、森瑤子読者の中で有名であろうサーディン丼。

これは著者自慢の一品(といっていいのかなあ)で、材料は

  • オイルサーディンの缶詰
  • 醤油
  • ねぎ
  • ごはん

という、とてもシンプルなレシピなのですが、とてもおいしいのです。

 

森さんはこのサーディン丼を、弁護士の木村晋助さん(椎名誠さんのエッセイに頻出する方ですよね?)にも披露して絶賛されたと、エッセイに書いていました。

しかし、どんなにリクエストされてもおかわりには応じないのがコツだそうです。

うーんいけず。

それが森さんの美学なんですね。

 

個性的であたたかい登場人物

それから、素敵な女性たちに個性的な親友、最愛の母。

 

この本に出てくる女性たちは、ほとんどが打ち込める仕事を持っていて、経済的にも精神的にも自立しています。

出版は1991年だから、女性の結婚適齢期が25歳で、それを過ぎたらクリスマスケーキと同じで売れ残りなんて言われていた頃ですよね。

その時代に、登場人物の女性たちにことごとく仕事をもたせて自立させているところが素晴らしい。

 

主人公の恋人もなかなか変わった人で、彼女の恋愛観は

「束縛なし、お互いの自由重視」

なんですよ。好きだなあ!

 

親友も珍しいタイプ、というか芸術家で、勤め人の主人公といい対比になっています。

サグラダ・ファミリアの彫刻家を支援したくて試行錯誤する主人公と、それを絶妙な距離感で見守る親友の関係も、

「そうだそうだ、こういう大人になりたいものだよな」

と思わせてくれます。

 

ディテールも凝ってます

それから、小道具と演出。

  • 音楽
  • 絵画
  • 写真
  • 車やバイク
  • ロケーション

などなど。

 

音楽はクラシックありストーンズありゲンズブールありで個人的に絶妙。

ロケーションも、東京とその近辺から、国内外のリゾートまでいろいろです。

もちろん、森瑤子さんの別荘のあった与論島も出てきます。

このあいだ飛行機で上空を通過したので、やはり写真をとってしまいました。

 

もっと読まれるべき

というわけで、森瑤子さんの本、おもしろいんですよ!

 

なのに森さんの著作があまり読み継がれていない感があるのは、気のせいかなあ。

多少は時代が変わっているにせよ、それは他の本だって同じだし、人物の描写とかディテールとか、やっぱりいいと思うんだけどなあ。

 

「どんな大人になろうかな」

と思っていた10代のころは、ずいぶんと勉強させてもらったものです。

 

今もだけど。

どんな大人になろうかなあ。

 

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク

 

 - 本の感想