ソルボンヌ大学を見学してきました。
日本では単に「ソルボンヌ大学」と呼ばれたりしますが、正確には「L’université Paris-I-Panthéon-Sorbonne(パリ第1大学パンテオン・ソルボンヌ)」というようです。
この大学の内部をガイドつきで見学できるということで、授業の一環でソルボンヌ・ヌーヴェル(パリ第3大学)からみんなして行ってきましたよ。
ついでにいうと我らがヌーヴェルの校舎は全く見るとこないです。残念。
(2021-22年度の後期からソルボンヌ・ヌーヴェルの校舎は引越しして新しくなる模様ですが、普通に近代的な建物で、やはり相変わらず特に見るところはなさそうです、たぶん)
ソルボン氏とソルボンヌ大学
ガイドさんの話の受け売りですが、大学の歴史を少々。
1253年に神学者のロベール・ソルボン氏がひらいた教育機関がパリ大学のはじまりです。
はじめは生徒16人に先生4人ぐらいの規模だったそう。
その後なんやかんやで学校は大きくなり学生も増え、やがて政教分離のためにもともとあった神学部は廃止されました。
五月革命の翌年の1969年には大学が再編され、現在はパリとその近郊にある13の大学のうち、第1・第3・第4大学にソルボンの名前が残っています。
私たちのパリ第3大学も「ソルボンヌ・ヌーヴェル」です。
みどころ①大講堂
見学前半のハイライトは大講堂(Le Grand Amphithéâtre)です。
まずは大講堂前にあるホールの、天井のステンドグラス。
中央の船の部分はパリ市の紋章です。
ステンドグラスの下部にはラテン語でパリ市の標語「Fluctuat nec mergitur」が書いてあります。
フランス語だと「Il tangue mais ne coule pas」、日本語だと「漂えど沈まず」。和訳は「たゆたえど沈ます」も一般的なようですが、あえて開高健風に言いたい。
こちらの絵も大講堂前のもの。
絵の舞台になっているマレ地区にある広場、プラス・デ・ヴォージュって、昔はプラス・ロワイヤルっていう名前だったんですね。
こちらが大講堂で、900人を収容できるそうです。
昔はもっと大きかったそうですが、セキュリティや火気厳禁などの理由で収容人数を減らしたとのこと。
木の飴色と座席の布地の古ぼけ具合が良い感じです。
壇上から右手を見るとソルボン氏がおられます。
その横には講堂を囲むようにデカルト、ラボアジェetc。
そこから上に視線を移すと、天井にいくつもの裸婦像が描かれています。
おーい、男子は服着て記名だけど女子は裸で無記名かい!と思ったことを正直に申し上げておきます。
みどころ②ソルボンヌ礼拝堂
後半のハイライトはソルボンヌ礼拝堂(Chapelle de la Sorbonne)。
外側の改修は終わったものの、中の改修はパリ市の判断待ちだそうで、「作業中」感あり。
わりあい殺風景な礼拝堂です。
そもそもフランス革命の時にいろいろな装飾が持ち去られてしまい、さらには政教分離で宗教施設として使われることがなくなったとのこと。
聖卓。後ろの照明も含めて簡素さがむしろ美しく、断然好みです。
ルイ13世の宰相でソルボンヌの学長でもあったリシュリューの墓の上の彫刻。
この彫刻の顔もなにか気品があって良い。
この礼拝堂はもはや教会でなくなり、打ち捨てられた感があるんですけど、それが絶妙なわびさび感を醸し出していて妙に心惹かれます。
見学ツアー、良かったです
建物も「学問の殿堂」という感じですばらしく、ガイドしてくださった方の説明も豊かで面白かったです。
「こんなところで勉強してみたいなあ」と思いましたよね。
機会があればぜひ見学もしくは進学してみてください。
追記
以前は下記のURLから見学の詳細が見られましたが、2022年1月現在、内容が削除されています。
La Sorbonne propose une visite guidée accessible à tous
コロナ禍が落ち着いたら再開されるでしょうか。
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