友だちが本を貸してくれました。
今までまったく存じあげなかったのですが、戸塚真弓さんという方の本で、『じゃがいもびいき』『パリからのおいしい話』『パリの学生街 – 歩いて楽しむカルチェ・ラタン』の3冊。
フランスの料理にはもちろん興味があるし、フランスのじゃがいもはどさんこからしてもおいしいと思っていたので、ためになる話が満載でした。
さらに、著者のフランス考察も勉強になります。
「内容のあるフランス本が読みたいなあ」という方におすすめです。
おすすめポイント①著者の料理スキル
著者の食べ物にまつわる知識と技術、熱意がすばらしいです。
フランスで手に入るじゃがいもの種類だとか、食べられるエスカルゴの種類だとか、それらのレシピであるとか、私はなんて無頓着に過ごしてきたのだろ。
本を読んだおかげで、生活を豊かにするものをいろいろと見落としていたことに気づきました。
我が身を振り返れば、フランスにいるのにフランス料理にあまりトライしていないし、味は悪くないけど、文化の豊かさが感じられないワンプレートごはんを繰り返しておりました。
日本食なら日本食でもっと真剣にやったほうがいいし、フランスの家庭料理ももっと作ってみよう。
『じゃがいもびいき』を読んだあと、料理のやる気が出てきて、さっそくグラタン・ドフィノワとじゃがいものピュレを作りました。
おすすめポイント②著者の人柄と教養
お料理の話がたのしいことに加えて、戸塚さんの人柄と教養の豊かさがすてきだと思いました。
フランス関連の本はたくさん出ていますが、表面的なことに終始する本も多くて、物足りないときがあるんですよね。
私は、現象だけでなくて、背景にある知識や考察も読みたいので、そういう点でも面白かったです。
ちなみに『パリからのおいしい話』の序文は作家の辻邦生。
この意味はおわかりですね。
それから、著者の戸塚さんの、フランスかぶれでもなく日本礼賛でもないバランス感覚も私は好きです。
屁理屈をこねるフランス人を冷静に観察するところも、外国人ならではの客観的な視点が感じられて、いいなあと思います。
読むとおなかがすきますよ!
三冊読んだ中での私のおすすめ順。
『パリからのおいしい話』は食全般にまつわるエッセイ、『じゃがいもびいき』は読んで字のごとくじゃがいも特化型エッセイ。
『パリの学生街』にはカルチェ・ラタンのいろいろな通りや広場が出てくるので、土地勘があるほうが楽しめるかもしれません。
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