オンフルールに行ってきました。
ノルマンディーの港町で、作曲家のエリック・サティや画家のウジェーヌ・ブーダンの出身地です。
天気に恵まれてとてもよい二泊三日だったので、さっくり観光レポートをお届けします。
旧港とサン・カトリーヌ教会
冒頭の写真につづき、旧港の風景。
木組みの建物が独特でいい雰囲気です、が、地震大国の民としては「よく建ってるな」という余計な感想。
だって明らかにゆがんでる建物とか、下から上に向かって床面積が増えてる建物とか、ドキッとするじゃないですか。
こんな素敵で不安な建物が今でも建っているなんて、ありがたいことです。
こちらは旧港のすぐ裏にある、サン・カトリーヌ教会内部。
外見は一見地味だけど、なんとフランス最古の木造教会で、心なしか石造りの教会とは違う香りがします。
細部は凝っていますが構造自体は大カテドラルよりずっとシンプルで、そこがどうも好きです。
食事はやはり海産物
港町だけあって、レストランは魚介類を売りにしているところが多いです。
クレープリーも多いですが、ブルターニュを第二の故郷とする同居人の
「クレープはノルマンディーじゃなくてブルターニュ!」
の鶴の一声により、こういう食事になりました。
フリュイ・ド・メール!海の幸盛り合わせ!
この世の幸せです。
俳優の高峰秀子さんも、この料理(?)の魅力を本に書いていましたね。
直径五十センチほどの大盆に氷が盛られていて、三種類の牡蠣をはじめ、名前は知らないけれど、ツブの孫みたいな貝、たにしの親戚のような貝、チェリーストーンという蛤と赤貝のあいのこのような貝、ムール、そして黒いイガイガも新鮮な「ウルサン(雲丹)」などが氷一面にびっしりと並んでいて、細いフォークをあやつりながら、その貝類を片っぱしから平らげてゆく、その美味さ楽しさはバツグン中のバツグン。
高峰秀子著『台所のオーケストラ』雲丹の項より
今回は一人前だからか氷の盛られた盆ではなく海藻の敷かれた皿で、ムールと雲丹のかわりにラングスティーヌ(小型オマール的なえび)と蟹でした。
貝をひっぱり出したりすすったり、えびをむいたり頭をすすったり、蟹の身をほじくり出したり、その間に白ワインも飲まなきゃいけないのでもう大変です。
蟹は茹ですぎなのか味噌がぼそぼそでしたが、それにしても、生きててよかった。
食後に激しく喉が乾くのもいとをかし。
Restaurant L’Homme de Bois
30 -32 Rue de l’Homme de Bois, 14600 Honfleur, France
おやつはこちらでどうでしょう
旧港から5分ほど歩いたところに、素敵なティールームがありました。
ケーキにマドレーヌにスコーンにたくさんの種類のお茶、オーナーは不愛想気味ですがウエイトレスのお姉さんは最高です。
いい香りのお茶でゆっくり過ごすのにどうぞ。
L’atelier
15 Cours des Fossés, 14600 Honfleur, France
美術館・市場・おみやげ
ブーダン美術館の近所に住むオッドアイ猫。
ブーダン美術館もサティの家も、旧港から歩いてすぐ行ける範囲です。
ただし営業時間はどこも観光客寄りでなく労働者寄りなので、事前に確認してから行きましょう。
月曜は観光案内所もサティの家もお休みだったし、ブーダン美術館はお昼に2時間半の休憩がある模様です。
それから、木金土日は旧港でせりがあるそうです。
つまり私たちのようにわざわざ月火水に二泊三日をぶっつける必要はないわけです。ああ。
おみやげはビスケットやキャラメルや魚の加工品の瓶詰めなんかが盛んなようです。
まあでも、そういったものはパリの大きなお店でも似たようなものが手に入るでしょうから、美味しいレストランや旧港のカフェでひなたぼっこするのに時間を使うほうがいいような気もしますね。
ちょっとしたバカンスに最適
オンフルールは小さくて可愛らしくて、観光地で観光客ぶりを存分に楽しめる町です。
車があればノルマンディーのほかのスポットにも足を伸ばせますし、またぜひここでバカンスしたい。
ところでオンフルールは年中観光客が絶えないらしく、民泊大はやりだそうです。
パリから車で2時間くらいとアクセスもよく、海水浴が売りではないぶん繁忙期と閑散期の需要の差も少なく、民泊の人によると現在ではオンフルールの物件の約57%が宿泊目的に使用されているそうです。
…って多すぎでしょ!
それではそこに住んでいた57%の旧住民はどこに行ったのだ、とまたもや余計な感想を持ったのでした。
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