もうそろそろ、フランス語を読むことを習慣にしないと語学力が頭打ちになる感じがします。
ということで、Fnac(フランス人御用達の書店兼電気屋さんみたいなお店)で本を物色してきました。
Olivier Magny著『DESSINE-MOI UN PARISIEN』です。
これがもう、B2ぐらいの語学力でもぼちぼち読めて、なにより面白い。
フランス語学習者のみなさん、特にパリにゆかりがあるとかパリ好きの方におすすめです。
どんどん出てくるパリジャンあるある
この本は60ぐらいの項目から構成されていて、それぞれの項目で「パリジャン・パリジェンヌあるある」をユーモアたっぷりに解説しています。
小見出しをいくつか書き出してみると、
- サン・ルイ島
- 日曜日の映画
- スシ
- 全仏オープン
- 白い靴下
- アメリカ人
- ニューヨーク
- 無精髭
- 太陽
- メトロ
などなど。
内容については、半世紀以上にわたってパリで勉強したり仕事してきた同居人も「なかなか正確」と笑っております。
「なかなか」というところがまたパリジャン的な感じですが。
ちなみに本のタイトルは、『Le Petit Prince(星の王子さま)』に出てくる有名なフレーズの「Dessine-moi un mouton(羊の絵を描いて)」からきてますね。
パリジャン、このおかしな人々
せっかくなので、面白かったところをいくつか意訳要約で紹介してみます。
ホンモノの日本食とは
【スシ】
スシを食べるのは、iPhoneを持つこととコンバースを履くことと並んで、パリではクールなことである。
しかし、パリのスシ屋はだいたいが中国人経営である。
そこで、日本人街で本当の日本人による本当の日本食(そば、うどん、お好み焼きetc)を知ったパリジャンは一転、スシに背を向け始める。
本当の日本レストランに友人を連れて行き、
「言っとくけど、ここは本当の日本のレストランだから、スシはないからね」
とのたまう。
あーいるいる。こういう人いる。どの分野にもいる。
白い靴下の奴
【白い靴下】
パリジャンは心の底から
「全ての人間は尊敬されるべきである」
と信じている。
ただし、白い靴下を履いている奴は除く。
パリでは白い靴下は避けましょう。
人として尊敬されないおそれがあります。
しかし厳しいですね、まあ、たしかにダサくなりがちですけれども。
アメリカ人はバカ
【アメリカ人】
アメリカ人はバカである。
でもウディ・アレンは別だ。
彼はアメリカ人じゃない。ニューヨーカーだ。
フランス人はアメリカのことを滅多に良く言いません。
ただしニューヨークは別。ニューヨークはクール。
知的な人間にありがちなこと
【文句】
フランス人は文句を言うことで有名だが、パリジャンにかかると文句もアートの域である。
つまるところ、幸せな人間というのはバカである。
対して、文句を言う人間は知的である。
文句を言う人間には問題意識がある。
問題意識を見つけられる人間というのは知的である。
よって、文句を言う人間は知的である。
この理屈はわからんでもないけど、聞いてる方は疲れる。
本当に文句ばっかり言う人もいますからねぇ。
やっぱり変だけど、まあ、いいや
日本ではパリジャン・パリジェンヌの素敵なところばかりがクローズアップされがちですが、この本では彼らのおかしな傾向とか、謎の思い込みも細かく観察してくれています。
パリの人ってなんか変だしときどきめんどくさい。
でもやっぱりセンスはいいし、憎めないし面白い。
フランス語ができる人は是非読んでみてください。
楽しみながらフランス語が読めて、学習者には「putain」とか言葉の使い方も勉強になります(えっ)。
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