「フランスは階層社会なのか」問題についての雑感

2019年5月17日

フランス社会の階層っぽい点について、これまでそんなに気にせずに生きてきました。

なにしろ自分が一億総中流社会だった頃の日本に生まれ育ち、そのうえしがらみ少なめの北海道民、さらに札幌圏の新興住宅地という、世の中の階層を感じにくいところで生活してきたのです。今思えば。

というわけでフランスでも鈍感に暮らしてきましたが、最近ちょっと気づいたことがあります。

こちらはなにか、人々の層が分かれており、それが一族単位で生活様式に反映されている気がする!

そしてその基準は経済状態だけでなく、むしろどちらかというと教育・教養レベルが重要であるような気がするのです。

結論から申し上げますと、つまり

  • 裕福な知識産業の人
  • 慎ましい知識産業の人
  • 裕福な労働系の人
  • 慎ましい労働系の人

となり、知識産業の人たちと労働系の人たちの間には明らかに生活様式の違いがあるように思われます。

 

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生活様式の違い①仕事

どうもその一族によって職業がだいたい決まってる気がしますね。

つまり、知識階層の家族はだいたいみんな知識労働に就いている気がします。

そういう一族はたとえば、教育関係、弁護士、重要度の高い行政関係のような仕事をしていたりする。

対して労働階層系一族は大まかに、農家、パン屋、肉屋的な仕事をしていたりする。

20世紀中盤までに生まれた人たちはわりと、こういった家族の芸を受け継いだ職業についているのではないかと思います。

肉屋の息子が大学教授にはならないし、逆もまたしかりです。

最近はサービス業とかIT関連とかそれに付随する新しいサービス業なんかが増えているので、職業にまつわる状況も変わってきているでしょうけどね。

 

生活様式の違い②教育

知識階層の家の子どもはやはりほとんど高等教育を受けます。

高校卒業後の進学を視野に入れて過ごしているので、親も子どものために最適な学校や環境を選びます。

ところでこういう家庭の子どもはけっこうな割合で楽器のたしなみがあったりしますね。どういうわけか。

一方、パン屋になる子どもは大学に行かないで、早い時期からパン屋で働き始めたりします。

日本だと将来パン屋になる場合でも、とりあえず大学に行くなんてことがわりとあると思うんですけど、こちらではそういうことはほぼないのではないかと。

まあ、フランスの大学は勉強しないと卒業できなさそうなので、とりあえず行こうという話にはならないのかもしれません。

 

生活様式の違い③話題

そんな彼らの何が違うって、食卓などにおける話題ではないかと思います。

知識階層の人たちのテーブルでは、文学、哲学、芸術、音楽など、アカデミックな話題がちょいちょい混ざりがち。

最近行ったコンサートや展覧会の話だったり、会話の流れで作家や哲学者の言葉を引用したり、そういう傾向が多分にあります。

労働階層の人たちはどちらかというと、身の回りのことであるとか、旅行や食事や、移りゆく世のトレンドの話題が多めです。

 

日本とは少し違う階層感覚

というわけで、私にとっては階層を分けるもの=経済状態でしたが、フランスでは教育・教養もかなり重要であるようです。

この点を踏まえてフランス人を観察すると、彼らの友だちづきあいや恋人選び、政治家や有名人の好き嫌いなど、いろいろな説明がつきやすくなる気がします。

さらに、失業保険を延々もらいながら

「自分のディプロムに見合った仕事を必ず見つける!」

と粘るフランス人の行動も、自分の出身階層に対応した仕事を見つけようとしていると考えればわりあい説明がつくと思うのですが、どうでしょう。

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