現在通っているパリ第3大学の語学クラスがDELF B2まっしぐらコースと化していたため、勉強法についていろいろとアドバイスが受けられました。
あとで聞いた話によると、クラス担任の先生は
「対策本も執筆していてDELF界(!)でちょっと名の知れた人物」
だそうで、DALF C1の口頭試験の試験官でもあるようです。
というわけで、DELF B2受験を考えている方や、自分が忘れた時のために、勉強法の要点などをまとめておきます。
DELF B2試験の概要
フランス語運用能力をはかるこの試験は、
- 聴解
- 読解
- 文書作成
- 口頭表現
から構成されています。
各セクションは25点満点で、計100点満点のうち50点以上とれれば合格。
ただし5点を下回るセクションがあったら不合格です。
公式情報はこちら。
セクションごとの解答のコツ
基本的なフランス語力があって、下記のことに気をつけられれば大丈夫じゃないでしょうか。
聴解のポイント
流れとしては「設問を読んで内容を把握し、テープを聞いて答える」というものです。
それでコツですが、
- スペルミスは許される
- が、質問に対応した答えを書くこと
- 余計なことを長々書いて時間を無駄にしないこと
- 記述式の解答欄は文法ミスに注意
といったところです。
綴りのミスには寛容なようですが、たとえば「彼は何人ですか?」という質問に「日本」と答えてもだめ。「日本人」と答えましょう。
つまり、質問の趣旨に沿った解答を心がけましょう。
内容をわかっていることを的確な解答で試験官にアピールするのが肝、のようです。
読解のポイント
これもまず設問を読み、一度ざっと文章に目を通します。
そのあとで質問に答えつつ、箇所によってはもう一度読むなどして解答していきます。
読む速さと単語量がだいたい勝負を決めるんじゃないかと思うんですが、解答のポイントはこちら。
- 解答欄の形式によって書き方を変える
- 記述式の解答欄は文法ミスに注意
- 引用するときは過不足なく、的確な箇所を
解答欄については、キーワード単位で答えればいい欄と、記述式の欄があります。
キーワードであれば「ジャパン」「2億4千万」など、聞かれたことだけを答えればいいわけですが、記述式の時はきちんとした文章になっていることが大事です。
要点を盛り込みつつ、本文の丸写しにならないように自分の言葉で説明しましょう。
引用を求められる問題では、引用前と後にギメ« »を忘れず、中略は(…)で表現するなどして過不足なく。
« 見つめ合う視線のレーザービームで (…) 素敵なことを探してるのさ »
みたいな感じですね。
文書作成のポイント
手紙形式が多いみたいですが、たまに変化球もあるみたいです。
いずれにしろ、求められている形式にきちんと沿ったフォーマットで書くことが重要。
接続詞をうまく使いながら、おなじみの
- 導入
- 3段落構成で議論組み立て
- 結論
という構成で進めていきます。
3段落構成というのはいわゆる「thèse, antithèse, synthèse」で、噛み砕いて言うと
- Certes(確かに…だが)
- Mais(しかし)
- Donc(したがって)
という感じのフランス人が好きなあれです。
加えて、議論の内容には
- メリット・デメリット両面を盛り込むこと
- 多角的な視点を提示すること
が良しとされるようです。
たとえば「市長へ何らかの要求の手紙を書いてください」というお題だったら、自分(市民)側の視点だけでなく、行政にどういうメリットがあるか、他にも環境にいいとかなんとか、多様な観点から内容を構成しましょう。
その他気をつけるポイントは、
- 時間配分に注意し、推敲の時間をとること
- 単語数は規定の±10%におさめること
- スペルミスには寛容だから気にしすぎない
- 単語の豊富さ・適切な使用を心がける
- 同じパターンのミスを繰り返さない(正しく習得していないと見なされる)
- 文章のバリエーションは豊かに
- 条件法、接続法を少なくとも一度ずつは使いたい
こんなところでしょうか。
口頭表現のポイント
口頭試験は、2つのテーマに目を通してからそのうち1つを選択し、30分の準備のあとに10分の発表、それから10分の質疑応答をします。
発表は7分以上話せば良いとのこと。
構成は
- テーマの説明(45秒もあれば十分)
- 問題提起しつつ議論の要点を先に短く伝える
- 3つのパート構成で議論を展開
- 結論
といった感じで進めます。
議論の展開や内容は、文書作成とだいたい同じです。
やはり接続詞をうまく使って、構成がごちゃごちゃにならないように、すっきりわかりやすく進められるようにしましょう。
その他の注意点は
- くだけた表現を使わない
- メモを見るのはほどほどに
です。具体的に気をつけた方がいい表現としては
- もちろんtuではなくてvousを使い、
- trucとか口走らないように気をつけ、
- “c’est difficile de 動詞” のような文は “c’est” よりも改まった “il est” を使い、
- 同じくカジュアルな “ça” は避けて “cela”を使う
といったことです。
点数を稼ぎやすいセクション
ちなみに、点の取りやすさは
聴解・読解<文書作成・口頭表現
だそうです。
「言い回しや構成など、ある程度作戦を立てて臨むことが可能な文書作成と口頭表現で、聴解と読解の失点分をカバーすると良い」とのことでした。
DELF B2おすすめ対策本
そんなDELF界(!)で名の知られた先生が書いたB2対策本はこちらです。
レビューでも評判が良いみたいなので、対策本をお探しの方はぜひ。
コメント
こんにちは。
ブログ参考にさせていただいております。
B2受験に悪戦苦闘している者です。
”クラス担任の先生は「対策本も執筆しててDELF界(!)でちょっと名の知れた人物」”とは、どの学校のどなたでしょう?日仏学院のどなたかでしょうか?
ぜひ受講してみたいと思いますが、情報を頂戴できませんでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
すどうさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
記事中に出てくる先生は、パリ第3大学のDULFで教えているMme Baptisteです。説明が足りなくて申し訳ありません!こちらの対策本の著者でもあります。
http://www.amazon.co.jp/R%C3%A9ussir-DELF-Livret-Europaeischer-Referenzrahmen/dp/3060695512
いつか受ける自分のためにも、教わったことのエッセンスをこの投稿に凝縮させました。参考になれば幸いです。お互いがんばりましょう 🙂