パリと安井かずみとアダモ(と私)の不思議なできごと

突然ですが、最近、郷ひろみの「よろしく哀愁」ばかり聞いています。

「会えない時間が 愛育てるのさ 目をつぶれば君がいる」

これ、安井かずみ作詞だったんですね。

今まで彼女が作詞した作品では沢田研二の「危険なふたり」が一番好きでしたが、今はこの二曲が一位タイ。

このごろは自分もパリに住んでいるので、フランス語を話してパリに一時期住んでいたという安井かずみが俄然気になってきました。

それで今、マイブームなんですが、ちょっとびっくりするような出来事に遭遇したんですよ!

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安井かずみという人

安井かずみは、作詞家・訳詞家・エッセイストとして知られています。

1960年代から90年代にかけて活躍し、1994年に55歳で肺がんのため亡くなりました。

海外旅行が珍しかった60年代にフランス語を流暢に話して外国を旅したり、たくさんの著名人と交流のある優雅なライフスタイルは、当時あこがれの的だったとか。

私にとっての初出は森瑤子のエッセイで、「朝一番に自宅のバルコニーに出てくるときでも、自分のためにきちんと身づくろいを済ませている素敵な人」という話でした。

パリと安井かずみとアダモ

安井かずみは一度目の結婚のあと、パリに滞在していた時期があります。

フランス語を流暢に話す彼女には、パリに友人知人がたくさんいたことでしょう。

その頃に歌手・アダモの『雪が降る』という歌の訳詞をしていて、著書『ワーキングカップル事情』にはその譜面と、アダモとの友情のエピソードが書かれていました。

なんでも離婚後でいろいろと大変なときに、アダモが助けてくれたそうです。

ゲテ通りでアダモとばったり

ある日ふと、その安井かずみの本を読み返そうと思ってかばんに入れて、ときどき行くゲテ通りのカフェにいました。

お店の中で人を待ちつつ本を読んでいると、入り口から人が入ってきて、お店の人やお客さんがその人を見るなり

「アダモ!」

「アダモ!」

と盛り上がっている。これは変なこともあるもんだなと思いました。

でも「アダモってときどきある名前なのかな」と思って、ちょうど待っていた人も来たし、入れ違いでお店を出てしまったのです。

あとで調べたら、アダモというのはイタリアの名前でフランスでよくある名前ではなく、フランスで他にアダモという有名人はおらず、ネットで画像をググったらやっぱりあのアダモだった!

話しかけてみればよかった

小さなカフェだったし、話しかけてみればよかったなとちょっと後悔してます。

アダモにしたって、そこにいるアジア人が、自分の曲の譜面が載った、自分の友人の本をたまたま読んでいるとは思いますまい。

その本を持って出かけたことはめったになかったし、偶然すぎて、安井かずみがアダモを呼んだような気がしました。

紙の本って作者のエスプリがいくらか宿っている気がしてならない。

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