岡田暁生著『西洋音楽史』はクラシック入門に最適です

さすがヨーロッパというかパリというか、こちらで暮らしているとクラシック音楽が身近です。

会話にもときどきこうした話題が出てくるのですが、私は完全に門外漢(漢ではない)なのでいつも残念な気持ちになります。古典派、ロマン派、バロック、対位法etc、意味がわからない。

でもせっかくだからもうちょっとわかりたいと思って本を読みました。岡田暁生著『西洋音楽史「クラシック」の黄昏 』です。

いやおもしろかった。これは素晴らしい本です。クラシック音楽に入門したい人はまずこれを読んだらいいと思います。

 

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千年にわたる西洋音楽のコンパクトな歴史

なにが素晴らしいって、今までキーワード単位でしか知らなかったことが時系列的にすっきり整理されることです。

頭の中でごちゃごちゃになっていた音楽室の後ろの作曲家たちの顔が、バロック、そのあとが古典派、それからロマン派・・・というふうに、時代に沿って整理されます。

あの頃は「ベートーベン超厳しそう」「バッハのかつら」とかどうでもいいことばかりで、時系列とか作曲スタイルの変遷とか全然考えていませんでした。思えばうかつだった我が人生。

ところで音楽室の後ろに顔はありませんが、バロック音楽の前にはグレゴリオ聖歌があります。西洋音楽のスタートは教会音楽だったのだなあ、と感心いたしました。

 

曲選びのガイドとしても役立ちます

時代ごとに作曲家の紹介、となると必然的に彼らの代表作にも言及があります。初心者はとりあえずこれをたどって聴いていけばいいと思うんだ。

単純に曲目リストがあるだけだといまいちやる気が出ないと思うのですが、その曲が書かれるに至った背景であるとか作曲者の個性なんかの説明があると、とっかかりがあってとても助かります。

リヒャルト・シュトラウスはとにかく冒頭で聴衆の心を掴みにかかる、と言われたあとで『ツァラトゥストラはかく語りき』を聴くと、たしかにこの人は「俺は最初からクライマックスだぜ!」の人だということがよくわかります。

(最後までクライマックスではなくていわゆる「出オチ」タイプのようです。)

 

著者の教養が素敵

この本はもちろん西洋音楽史の話が軸なんですが、そのときどきの社会情勢の話も出てくるんですよね。

なんの目的でだれに向けて書かれたかというような背景によっておのずと音楽の方向性がある程度決まるわけで、そこを左右する社会の変化と音楽の変化の関係は切っても切り離せないってことですね。

こういう話になると語り手の教養と洞察力が大事になってくると思うのですが、この著者はその点でも素晴らしいです。音楽史の本を書くにしても音楽史の知識だけじゃだめなんですね。いやあいやあ。

 

素晴らしい演奏をわかりたい

あとはいろいろ聴いてみて耳を育てるべきですね。それには西洋音楽の楽器をひとつ自分でもやってみるのが一番早いと思うんですけどね。

外出制限が終わっていつの日かイベントが再開されたら、コンサートにもいろいろと行きたいものです。

ところでクラシック音楽のコンサートって、楽章と楽章の間では本来、拍手をしないそうです。クラシック畑の同居人が言っていました。私はクラシックを聴いても未知との遭遇がほとんどなので同居人が拍手するタイミングで拍手しますが、有名どころぐらいはもうちょっと自分でわかるようになりたいものです。

 

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)

 

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