子どもにスマートフォンを使わせたりテレビを見せておくことって、けっこうありますよね。
しかし私のまわりのフランス人親は、子どもにスクリーンを見せることについて注意している人が多いです。
そこで自分でも少し調べてみたら、「子どもにスクリーンを見せることによる悪影響」の関連研究を海外ソースでいくつか見つけました。
これは確かに、子どもにスマートフォンやテレビを見せる前に少し考えたほうがいいかもしれません。
カナダ:肥満や睡眠妨害の原因になるかも
カナダメディアの記事「Impact des écrans sur les enfants: 4 choses à savoir」によると、ケベックでは
- 2歳半の子どもは週平均8.82時間テレビを見ている
- 11歳から17歳の子どもは週に少なくとも35時間をスクリーンを見ることに費やしている
とあります。
それが肥満の原因になったり、ブルーライトが睡眠を妨げたりするそうです。
小さな子どもは特に注意
5歳までというのは脳ができあがる時期であり、外部からの影響を受けやすいので特に注意が必要とのこと。
「テレビをよく見る子どもは感情や振る舞いを制御するのが難しくなりやすい」
という研究もあり、そうすると学業にも悪影響が出る可能性があります。
ただ、こういったデジタルデバイスの影響についてはまだはっきりしない部分も多く、11歳以降の子どもはパソコンやインターネットを教育的な目的のために利用することもあるので、調査自体が難しいようです。
専門家のアドバイス
しかし、やはり小さな子どもへの配慮はしたほうが良いようで、カナダでは専門家が次のようにすすめています。
- 0-2歳はスクリーンなし
- 2-5歳は1日に最大1時間まで
- 5-11歳は1日に最大2時間まで、ただし暴力的な描写のないもの
アメリカでは米国小児科学会が、2-5歳の子どもを持つ親に
- 教育的なプログラムを選ぶ
- 説明したり疑問に答えるために、子どもと一緒に視聴する
- 食事中、寝る前にはスクリーンを見せない
- スクリーンを使用する時間を家族で分かち合う
- スクリーンは共有スペースに置いて、大人が内容を確認できるようにする
- 子どもが何歳であっても、遠くにいる家族と話ができるアプリケーションは使っても良い
ということを助言しています。
フランス:言葉が遅れたり注意力が減るかも
フランスメディアの記事「Trop d’écrans : les risques pour les enfants」でも、テレビやDVDなど受け身で視聴するものは、2歳前の子どもにたいして
- 体重が増える
- 言葉が遅れる
- 注意力が散漫になる
- 世の中にたいして受け身になる
などの悪影響を与え得るとしています。
また、6歳前の子どもに専用のデバイスを与えることはメリットよりもデメリットのほうが多く、思春期の子どもがインターネットを利用しすぎた場合は、ザッピング思考になってしまって記憶力や内省力が衰退する可能性があるそうです。
子どもを守るための対策
というわけで、そういった悪影響から子どもを守るために
- スクリーンの使用を加減する
- 長い本を毎晩少しずつ読み聞かせ、スケールの大きさに慣れさせる(ザッピングの逆ですね)
- 子どもたちが話しているときに、適切な言葉を見つけるのを待ってあげる
- 劇や音楽など、継続的な学習や記憶の鍛錬が必要な活動をする
- 適切なスクリーン使用時間の範囲内で「使う時間の約束」をする
- 子どもと話すために、一緒に遊ぶ
ということをすすめています。
スクリーンの使いすぎには注意かも
子どものスマートフォンやテレビの使用は、気をつけるに越したことはないみたいですね。
こういった記事を鵜呑みにする必要はないにしても、日本に情報が少なすぎるのが気になります。
もっと情報があれば親がそれぞれ検討しやすいと思うのですが、誰かに不都合でもあるのかなあ。
そもそも、スマートフォンとかタブレットを発明した人たち自身が、自分の子どもたちにこういうデバイスを使わせすぎないように気をつけてたという話もありますしねえ。
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